ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★Nicketty-Nacketty Noo-Noo-Noo(仮題『ニキティ ナケティ ヌーヌーヌー』)

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【書誌情報】
Nicketty-Nacketty Noo-Noo-Noo(仮題『ニキティ ナケティ ヌーヌーヌー』)
ジョイ・カウリー (Joy Cowley)文/トレーシー・モローニー(Tracey Moroney)絵
Scholastic New Zealand 1996/Mondo Publishing (USA) 1998
*1997年ニュージーランド・ポスト児童図書賞絵本部門候補作品
追記*2018年 Gaelyn Gordon 賞(ロングセラー作品対象)受賞作品

*以下はUS版の情報です。
ページ数…32ページ(本文22ページ)
ISBN………9781572555587
サイズ……24×22.5センチ(ペーパーバック)
読者対象…3歳ぐらいから

*試訳(全訳)あります

 【本書の概要】

 英国やアイルランドの昔話を思わせるストーリーに、ジョイ・カウリー独特のユーモアというスパイスがふりまかれた楽しい絵本です。主人公は旅する娘。大男にさらわれますが、お手製のシチューをごちそうして、やっつけます。そのシチューの秘密は……。
 "Nicketty-Nacketty Noo-Noo-Noo" は、スコットランド民謡 "The Wee Cooper O' Fife" の歌詞にあるナンセンスなフレーズです。ジョイ・カウリーの祖母(スコットランド出身)は、疲れたときや苛立ったときに、このフレーズをつぶやいていたそうです。本書では、各場面の最後に使われ、その場面をしめるとともに、次の場面へと導いてくれます。繰り返しの楽しさを味わえる、リズミカルでユーモラスなひびきが魅力です。
 温かみのある水彩画のイラストは、西洋の昔話らしい幻想的な雰囲気を、ほどよく上手に表現しています。癖のないやわらかなタッチでありながら、娘のしたたかさが目つきに表れているところなど、ストーリーのスパイスもしっかり描かれています。

【作者紹介】
ジョイ・カウリー/文
 1936年ニュージーランド北島生まれの作家。2016年国際アンデルセン賞候補者。ニュージーランドの児童図書賞で受賞歴多数。英語圏の国々を中心に、国際的評価も高い。邦訳された絵本に『大砲のなかのアヒル』『せんたくおばさん』『パンサーカメレオン』、読み物に『帰ろう、シャドラック!』『ハンター』『三千と一羽がうたう卵の歌』などがある。

トレーシー・モローニー/絵
 1960年代にニュージーランド北島で生まれる。グラフィックデザイナーとして仕事を始め、その後、複数の出版社で国際的なプロジェクトに携わる。現在はフリーの絵本作家、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして、主にオーストラリアとアメリカの出版社から作品を発表している。邦訳に『はじめてのクリスマス』(アリア・ゾーベルノーラン再話/いのちのことば社) ほか、キリスト教関連の絵本がある。