ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★Fly Pie(仮題『しあわせのハエバーグ』)

f:id:nzbook:20170716141436j:plain

【基本情報】
書名:Fly Pie(仮題『しあわせのハエバーグ』)
作者:ジョイ・カウリー (Joy Cowley)/文
   フィリップ・ウェッブ (Philip Webb)/絵
出版元:Scholastic New Zealand
発行日: 2010年2月
ページ数:32ページ(本文29ページ)
寸法:21.5×26.5 cm(ソフトカバー)
ISBN:978-1869439248
対象年齢:4歳ぐらいから
*試訳(全訳)あります

【あらすじ・感想・評価】
 あるところに、いっぴきのカエルがいました。スイレンの花がさく池で、おいしいハエを食べながらのんびりくらしていましたが、ほんとうは、人間の王子さまなのです。いつの日か、おひめさまにキスしてもらって、王子さまにもどるつもりでした。ある日、かわいいカエルの女の子に告白されたカエルは、わけを話してそれをことわり、いよいよかくごを決めました。池でのくらしにわかれを告げて、お城にのりこみ、おひめさまにキスをもとめます。ところが、おひめさまは、ぎゃーとさけんで、カエルをゆかに投げつけました――。
 グリム童話の「カエルの王さま」をモチーフにしたお話。王子さまにもどるつもりだったカエルが目の前の幸せに気づく様子を、ユーモアたっぷりに描いている。リズムのよい語りとやわらかなタッチの水彩画が、とぼけた感じをかもしだすゆかいな絵本。

 【作者紹介】
ジョイ・カウリー(文)
 ニュージーランド児童文学を代表する作家。1936年生まれ。2018年国際アンデルセン賞作家賞候補。邦訳された絵本に『大砲のなかのアヒル』『せんたくおばさん』など、読み物に『サンゴしょうのひみつ』『帰ろう、シャドラック!』『ハンター』『ヘビとトカゲ きょうからともだち』『三千と一羽がうたう卵の歌』がある。北島南部のフェザーストン在住。

フィリップ・ウェッブ(絵)
 ウェリントン在住のイラストレーター。1952年英国生まれ。子ども時代を香港とケニヤで過ごす。ニュージーランドに移住し、子ども向け番組のスタッフとしてテレビ局に勤務した後、イラストレーターとして活躍。学習教材や数々の絵本に挿絵を描いている。
[おもな作品]
"Salmagundi"(ジョイ・カウリー文)1985年
"A Pet to the Vet"(マーガレット・マーヒー文)1986年
"The Little Penguin Who Wouldn't Eat His Dinner"(ジェーン・バクストン文)2006年
"Stories of Snowmen"(ラッセル・パンター文)2007年
"Piggity-Wiggity Jiggity Jig" シリーズ(ダイアナ・ニールド文)2008〜2011年
"Mrs.Wishy-Washy" シリーズ(ジョイ・カウリー文)Hameray Publishing 版