ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★『暗闇の釣り師グローワーム』

『暗闇の釣り師グローワーム』(「たくさんのふしぎ」2015年1月号)
小原嘉明 文 石森愛彦 絵 福音館書店
Glowworm - Angler in the Dark
text by Yoshiaki Obara, illustrations by Yoshihiko Ishimori, published by Fukuinkan Shoten

 ニュージーランドに生息するヒカリキノコバエの幼虫、グローワーム(別名:ツチボタル)を紹介する科学絵本が出ていたとは、うれしい驚きでした。
 グローワームとは、ニュージーランドとオーストラリアだけに生息する虫ヒカリキノコバエの幼虫で、ホタルのように光を発することから、日本語ではツチボタルとも呼ばれています。本書でもふれられている、ニュージーランド北島のワイトモ洞窟にはたくさんのグローワームが生息しており、その光のせいで洞窟の天井はまるで星空。多くの観光客を集めています。

 本書の著者である小原嘉明博士は、ニュージーランドのワイカト大学でグローワームの研究をなさったそうです。実験装置や実験の様子を詳しく描いたイラストとともに、グローワームの生態がわかりやすく説明された良書。虫が苦手な(ごめんなさい!)私でも、興味津々で楽しめました。虫の研究って、こんなふうにしているんですね。

 有名なワイトモ洞窟のほか、南島南西部のテ・アナウ洞窟でもグローワームの星空が見られます。私が初めてグローワームを見たのはテ・アナウ洞窟でした。何人かずつボートに乗って、洞窟の中を流れる川をゆっくりと進みながら、ツチボタルの放つ光を静かに眺めました。ほんとうに満天の星空のようで、とってもきれいでした。

 ぜひ単行本化を!

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www.newzealand.com

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