ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★Tuna and Hiriwa/Tuna rāua ko Hiriwa(仮題『大ウナギと 川のようせいヒリワ——ウナギの おなかは なぜ 白い?』)

【基本情報】
書名:Tuna and Hiriwa(英語版)/Tuna rāua ko Hiriwa(マーオリ語版)
(仮題『大ウナギと 川のようせいヒリワ——ウナギの おなかは なぜ 白い?』)

文:リペカ・タコトワイ・ゴダード(Ripeka Takotowai Goddard)
絵:キンバリー・アンドリューズ(Kimberly Andrews)
出版社:Huia Publishers  出版年月:2016年8月
ISBN:9781775502272
サイズ:27cm x 21cm(ペーパーバック)  ページ数:32(本文27)
読者対象:3歳ぐらいから

テーマ:ウナギ、妖精、月、川、創作昔話

*試訳(全訳)あります。

【概要】
 美しい妖精ヒリワは、月の光をあびながら川べりでダンスをおどるのが大好き。その姿は、きらきらと銀白色にかがやきます。川にすむいっぴきの大ウナギが、そのかがやきにあこがれます。
 ヒリワは、自分のかがやきはお月さまのおかげだといいます。そこで大ウナギも、月あかりのもとでダンスをおどりますが、大ウナギのからだは黒いままで、ちっともかがやきません。大ウナギは、ヒリワがうそをついたのだと考え、仕返ししようと、水の中でまちぶせしました。そして、足をすべらせて川に落ちたヒリワを、パクリ! すると、大ウナギのおなかが銀白色にかがややきだしました。ところが……
 子どもの頃からウナギ釣りに親しんでいた作者が創作した、むかしばなしふうのおはなし。月あかりに照らされた幻想的な風景のイラストと合わさって、美しい絵本になりました。

【作者紹介】
リペカ・タコトワイ・ゴダード(文)
 ニュージーランド北島のフィールディング出身。マーオリ語と英語の2言語を母語とする。マッセイ大学でマーオリ学と環境学を専攻。2015年に出版社主催の創作ワークショップに参加して書いたこの物語が、作家デビュー作となった。執筆活動のほか、ランギティーケイ川の環境保全プロジェクトの活動にも参加している。

キンバリー・アンドリューズ(絵)
 イラストレーター、絵本作家、生物学と地質学の研究者。生き物を描いた衣料品の製作、販売も手がける。1985年生まれ。カナダ出身で、ボルネオと英国に在住経験がある。ニュージーランドに移住し、現在は、夫と2人の子どもとともにウェリントン在住。
 本書Tuna and Hiriwa が児童書のイラストレーターとしてのデビュー作。ノンフィクション絵本Explore! Aotearoa(Bronwen Wall文)は、2018年NZ児童図書賞ノンフィクション部門候補作品。初めて文と絵の両方を手がけた Puffin the Architect は、2019年にNZブックラヴァーズ賞児童書部門を受賞するなど高く評価された。その後もつぎつぎと新作絵本を発表している。