ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★The Little Yellow Digger(仮題『ちいさな きいろい ショベルカー』)

f:id:nzbook:20160302125841j:plain

【基本情報】
書名:The Little Yellow Digger(仮題『ちいさな きいろい ショベルカー』)
*1993年AIM児童図書賞絵本部門候補作品
*2003年 Gaelyn Gordon 賞(ロングセラー作品対象)受賞作品

作者:ベティ&アラン・ギルダデール (Betty & Alan Gilderdale)
出版社:Scholastic New Zealand
初版:1992年
ページ数:32
読者対象:3歳ぐらいから
ISBN: 978-1775431169(ペーパーバック)
サイズ:17.5×21.5センチ
*大きなサイズの版も出ています(978-1869432126/20.4×27.4センチ)
*試訳(全訳)あります  

【概要】
 どしゃぶりの庭で、ちいさなきいろいショベルカーが、泥にはまった。中くらいのショベルカーも、大きめのショベルカーも、とびきり大きいショベルカーも、泥にはまった。4台のショベルカーと1台のトラックが、ぬかるみにならんで、さあたいへん! ニュージーランドのロングセラー絵本。

 
【解説・評価】
 作者が実際に見た状況をもとに創作したおはなしです。1992年の初版発行以来、20年をかけてじわじわと40万部を売り上げました。ニュージーランドの人口が約450万であることを考えると、たいへんな数字です。羊、キーウィ、ラグビーといった象徴的なものは登場しませんが、いかにもニュージーランドの日常生活で起こりそうなできごとをそのまま描いているところが、ニュージーランドの読者に愛され続ける理由なのでしょう。素朴な題材ながら、サイズの違う4台のショベルカーがならぶ場面や、いちばん小さなショベルカーが活躍するという展開には、おはなしの楽しさとして普遍的なものを感じます。クスッと笑えるほどよいユーモアと、幼い子どもたちの耳に心地よいリズムも魅力です。
 シリーズとしてあと4作出ているほか、ぬり絵、パズル、工作などが楽しめるアクティビティー・ブックや、ショベルカーのおもちゃも発売されています。

【作者紹介】
ベティ・ギルダデール(文)
 教育者、児童文学研究者、書評家、作家。英国で生まれ育ち、ロンドン大学在学中に出会ったアランと1949年に結婚。1967年、家族でニュージーランドに移住。教員養成学校に勤務していた1969年に児童文学協会の設立に関わって以来、ニュージーランド児童文学に貢献し続けている。1999年、功労賞である CLA Distinguished Service Awardを受賞。その賞は翌年から「ベティ・ギルダデール賞」という名称に変更された。作家としての代表作は "Little Yellow Digger" シリーズのほか、"Magical Margaret Mahy" や "The Seven Lives of Lady Barker" といった伝記、ニュージーランド児童文学についてまとめた "A Sea Change:145 Years of New Zealand Junior Fiction"、自身の回顧録である "My Life in Two Halves - A Memoir" などがある。オークランド在住。

アラン・ギルダデール(絵)
 ベティの夫。1924年英国生まれ。ロンドン大学在学中の1942年に徴兵されるが、兵役を拒否し、クエーカー教徒がおこなっていた戦地での救援活動に従事。戦後に復学して美術の学位を取得。ベティと出会い、1949年に結婚。1967年ニュージーランドに移住。画家、版画家、大学講師として活躍。絵本の挿絵は畑違いだったが、妻の作品に絵をつけることを承諾し、"Little Yellow Digger" シリーズを誕生させた。反核運動や平和運動にも積極的に関わった。2013年没。