ニュージーランドの本

児童文学を中心に、ニュージーランドの本(ときどきオーストラリアも)をご紹介します。

★『こわす』(Demolition)と『たてる』(Construction)

『こわす こうじのえほん』Demolition Walker Books 2012)
『たてる こうじのえほん』Construction Walker Books 2014)
サリー・サットン作/ブライアン・ラブロック絵/新谷祥子訳/福音館書店/2019.3.15

f:id:nzbook:20190316105901j:plain

f:id:nzbook:20190316105923j:plain

  福音館書店から「こうじのえほん」として、ニュージーランドの絵本2冊が邦訳出版されました。『こわす』は解体工事を、『たてる』は建設工事を描いています。

 原書は4冊のシリーズです。道路建設を描いた1作目 Roadworks(Walker Books 2008)は、ニュージーランドの権威ある児童図書賞で絵本部門受賞作に選ばれるなど、高く評価されました。『こわす』と『たてる』は、シリーズ2作目と3作目にあたります。

 2012年に『こわす』の原書を読んだとき、カンタベリー地震という大災害があったニュージーランドでビルの解体が絵本になったことにはじめは驚いたものの、斬新でおもしろく、とても気に入りました。さまざまな工事車両の活躍で、ビルがこわされていきます。解体のあとは、鉄、コンクリート、木材などを分類してリサイクル。この作業でも工事車両が活躍します。最後は緑豊かなニュージーランドの都市らしい風景。おまけの工事車両紹介も楽しめました。

『こわす』のあとに『たてる』が出たのは必然とも思え、文句なしに気に入りました。建設工事でどんな建物ができるのか、それは読んでのお楽しみです。

 2作とも、リズミカルな詩のような文とオノマトペで書かれており、元気いっぱいにはじけています。知識の絵本であることはひとまず忘れて、楽しく読んでほしいです。私もぜひ訳したかったので試訳を作りかけましたが、原語のリズムといきおいを日本語で再現するのはとても難しく、挫折していました。日本語版の訳者にパーカッション奏者の新谷祥子さんが選ばれたことに激しく納得。オノマトペがいきおいよくはじけています。日本でも長く読まれる絵本になりますように!

 www.fukuinkan.co.jpwww.fukuinkan.co.jp『こわす』*2013年ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト作品
『たてる』*2015年ニュージーランド児童書及びヤングアダルト小説賞絵本部門候補作品